青山に根づく家族四代 百年の伝統。

これまでも、これからも。

青山紅谷は、大正12年(1923年)に創業しました。
家族で代々受け継いできた伝統の技とこだわりを持ちお菓子作りを続けております。
おかげさまで昨年、創業101周年を迎えることができました。

創業秘話〜戦禍を乗り越えて〜

初代は、小石川安藤坂の紅谷本店で修業を積み、番頭格として腕を磨きました。その後、指名を受けて暖簾分けを許され、青山にて独立開業いたしました。

求肥や煉羊羹、栗蒸し羊羹など、季節ごとのお菓子を手作りし、初代から受け継いだレシピは現在でも大切に守り続けています。また、お赤飯などの伝統的な品も手掛けてまいりました。

戦前の青山は、お屋敷の多い静かな住宅地でした。当時は、見本箱にお菓子を並べ,
各家庭を回り、お客様のご要望に応じた数のお菓子をお届けしておりました。
しかし、1945年5月25日の山の手大空襲により店舗は一度焼失。
その後、戦後の復興とともに、同じ場所で再開することができました。

受け継がれる伝統

二代目は、「豆大福」を考案しました。この一品は戦後、多くのお客様に喜ばれ、地域の方々に愛される代表的なお菓子となりました。

また、地域のお祭りやお盆には神社やお寺、商店街へ御供え餅を納めるなど、地元とのつながりを大切にしてまいりました。これらの伝統は現代でも受け継がれています。

三代目は、一口サイズで手軽に楽しめる「ミニどら」を考案。結婚式の引き出物をはじめ、さまざまなシーンでお使いいただける人気の品となっています。

新たな風を青山の地で 〜甘味処〜

現在は四代目が中心となり、2023年6月に店舗を青山墓地の隣へ移転。

新たに甘味処を併設し、和菓子とともにゆったりとした時間を楽しめる空間を提供しています。

現代は、年中同じものが手に入り、インターネットで簡単に情報を得られる便利な時代となりました。一方で、忙しさの中で心が休まる時間が少なくなっているようにも感じます。

私たちは、和菓子とお茶でほっと一息つき、「日常のピース」を感じていただけるお店づくり、そしてお菓子作りを心掛けています。